浅瀬で深く

ライブに生きたい

関ジャニエイトが嫌いだった話

 METROCK 2017に関ジャニエイトの出演が決まった。職場のバンド好きな先輩から誘われた縁で、ずいぶん前にMETROCKのチケットを入手していたわたしは驚きと、感動と、そして嬉しさに震えていた。

 エイトの出演が決まるまで、長いことMETROCKの本ステージの良い位置と言われているタイムテーブルに「Comming soon...」の文字がずっと並んでいた。誰がくるのか、という予測も含め当日のチケットは一般発売から即完売の事態だった。フェスということ自体に初参加の身にとっては、それがどれだけ大きなことか全く分かっていなかった。

 そして、去る12日Mステにて時がきた。当日の出演者から、空いている枠のアーティストはゆずなのではないかという予測と、METROCK当日の5月21日はゆずが東京ドームでのライブを控えていることからもしかして中継をするのではないかという憶測も飛んでいる中、関ジャニエイトの出演が発表された。

 

 びっくりした、としか言いようがなかった。LINEで先輩から「関ジャニエイトだね!?!?!?」と連絡がきたときには、以前冗談で「TOKIOあたりですかね~~~??」と言っていた自分を殴りたいような褒めたいような気分であった。

 関ジャニエイト、野外フェス初参加。Mステでは「アウェー」という言葉も使われていた。ああいった会場、ジャニーズ好きなファンが少ない中での演奏、というのは本人たちも含め新たな挑戦になることは間違いない。

 ひとつ、事実として言いたいことはバンド好きな先輩の言葉も含め意外とフェスにジャニーズが参加する、ということに好意的な意見が多いことだ。TOKIOが参加したことがあるという前例も大きく要因としてはると思う。

 もちろん、関ジャニの参加が発表される前にチケットは完売していたわけだから、本来、フェスに参加したい人が定額でチケットを入手できていたことがある。これが、一ヶ月前に発表されたとすると話は違ってくる。関ジャニエイトを目当てとして、フェスという催し物をそっちのけでくる人たちも少なからずいるであろう。と、いうことをフェス常連の先輩に言ったところ、驚いたことに「アーティスト目的にフェスに参加する人もいるから同じだと思う」という意見をいただいた。なるほど。確かに、と思った。METROCKに参加するほかのバンドが好きで、そのバンドを見るためだけにMETROCKに行く人は大勢いるわけである。だから、関ジャニエイトが出るから参加したい、というのも至極当たり前の意見ではあるとその先輩は言った。ああ、ここは言い得て妙だなあと思った。フェスが好きな方からの批判もある。一方で肯定的な意見もある。ジャニーズ側からの批判もある。一方で同じように肯定的な意見がある。

 こういった相互性のある状況、というのが今回関ジャニエイトが初の野外フェスに参加することの大きな意義があるように思える。

 

 ここまで考察的に述べてみたが、偶発的に全く無関係のバンド好きの先輩から誘われたフェスに関ジャニエイトが出るという後出しはもう、とにかく、驚きしかない。

 

 タイトルにもあるように、実は、一時期関ジャニエイトが嫌いだった時期がある。

 そもそも錦戸亮が好きでジャニーズに入ったようなもので、そこからNEWSのデビュー、関ジャニエイトのデビュー、脱退といろいろあったわけだが、ライブにも行ったことがあるし錦戸他メンバーも認知しキャラクターとして楽しい点がいっぱいあった。

 個人的に好きなのは、割とバンドとしての活躍を多く担ってる関ジャニエイトであった。それが、いつからか、お笑いに走り、曲も何だかやけにバラエティに富み出し、ライブもさまざまな要素を含め面白くしようとしているなあと感じていたときがあった。今でこそ、それが彼らの味であり、個性であり、素敵な部分だとは思うが、当時かっこいい関ジャニエイトが好きだった自分には許容できない何かがあった。

 せっかく関ジャニエイトはかっこいい要素があるのに、なぜ彼ら自身がそれを消すような真似をするのだろう、という一個人の悲しみと言うか、憤慨と言うのか。形容しづらいもやもやがずっとあったのは確かだ。

 

 それが年月を経て、今の関ジャムや関ジャニ∞クロニクル を見ている中で彼らの先に述べた味や個性を知り、さらに、今まで演奏に関しては後方にいた横山と村上の演奏力の向上を感じ、このタイミングでの野外フェスには自他共に認める大きな意味があるのだろうと痛感した。

 公式側がギリギリまで出演を発表しなかったことに、もちろん賛否両論はある。行きたい人が行けない事態も招いている。だが、だからこそ、フェスに行き慣れた(わたしのように誘われた人は除くが)人から見た関ジャニエイトの姿は新鮮だろうし、METROCKの出演が決まって改めて楽曲を聞き直したが、バンド色のある、フェスに映える曲を関ジャニエイトはいっぱい持っている。最近、誘われた縁でバンドの曲を頻繁に聞くようになった素人意見ではあるが、確実にこれは刺さるだろうなあという曲が確かにある。また、誘ってくれた先輩も関ジャニエイトの出演を大変喜んでいるし、楽しみにしている。

 当日、どうなるかは分からないが、ステージがジャニーズ色に染まるのではなく関ジャニエイトがフェスの色に染まり、観客がジャニーズだからという色眼鏡抜きで楽しめるような時間になったら心から嬉しく思う。

 

 ただひとつ。きばってこーーーーぜ!!!!!!はどうやらバンド好きだろうが何だろうが盛り上がるらしいので、歌って欲しいし全力でブンブン!!!!したい所存である。