浅瀬で深く

ライブに生きたい

図書館戦争 THE LAST MISSION

  ベストアーティストの翌日に4回目を観賞してきました。

 傷心図書館戦争観賞をすることになるんだったら早く感想文書いたらよかったなあと思わなくもありませんが、スクリーンに映る岡田くんの彫刻のような横顔を見て、やっぱりいろんな才能を持っていろんな媒体を通して感動をくれるジャニーズって最高だなあと再確認しました。

  初日、レイトショーで見たときはただひたすら号泣。2回目、同じ場所、同じ時間、同じメンツで見たときは細かい突っ込みどころをさらいながらも号泣。3回 目、3週間ほど間が空いてのりちゃんさみちゃんと見たときは初心の気持ちで号泣。そして来る4回目、さすがに号泣まではいきませんでしたがぐっときて涙を 必死にこらえながら観賞しました。

 そこまで何が泣けるのか、何がうまいのか、はたまたちょっとここはこうしてほしかったなと重箱の隅をつつくような感想文でございます。

 

  オープニングからエンディングまで心をぐっと掴まれる場面の多い映画でした。パート1のオープニングでは佐藤監督が特典オーディオコメンタリーで話していた通り、ツンデレラブストーリーを観に来た人の気持ちを引き込むように、本と人が焼かれるという衝撃的なシーンから始まりました。一方、ラストミッション(以下、LM)では配給元のTBSのロゴが流れてきたと思えば、東映のロゴから検閲対象映像として放送が中断、メディア良化委員の資料映像(のようなもの)が流れます。まるで、これから観賞する図書館戦争そのものがメディア良化委員にとっては都合の悪い映像であると言われているような感覚に陥ります。カットが変わり、本が焼かれる中から映画タイトル。し、し、痺れる………………………。

 世界観の引き出し方が現実とパラレルを絶妙にミックスしたまま進むのですんなりと見ることができました。そして全編通して緊張と緩和のバランス、絶妙な違和感と伏線の張り方、回収が切なく、気持ちよく、嬉しく楽しい仕上がりでした。

【全体の構成、新キャラ手塚慧について】

 パート1では図書隊、良化隊(+良化隊賛同者)、警察の対立で後半は良化隊よりもその賛同者との戦闘シーンがメインだったので全体の構図としては図書隊VS良化賛同者(とその裏にいる良化隊、ぐらい)のイメージが強かったんですが、LMでは図書隊、ガッツリ良化隊、未来企画(政府)の対立が比較的均等に描かれていたという点がよりストーリーを重く、人間ドラマを濃厚にしていたと思います。特に、絶対的な正義として描かれいてた図書隊が、方向を変えて見れば実は違うのではないか、という疑問を観ている側にも問いかけるような作りになっているのには唸りました。手塚慧率いる未来企画の言い分がどうにも説得力がある。立川のレストランで笠原と対立した際の圧迫感には思わず息を飲み、現れた堂上に対しても全くひるむことなくかわしていく。あれだけ強くて図書隊の鏡のような堂上と対峙しても動じない強い信念。さらには法務省のお偉いさん方に囲まれながらの演説、停戦を要求した仁科指令に対して言い詰めていく様。ここまでで、手塚慧は相手を論破し続け、逆に誰の反撃も交わし続けているわけです。こうなってくると手塚慧が本当に正しいのでは?と思えてくる。けれども、笠原が言ったように、少しの間も検閲を許してはいけない。一冊の本が奪われる間に失われていく思想は、いつか生涯心の支えとして人生を豊かにしてくれる言葉かもしれない。決して簡単に捨てきれるものではないことも事実でした。

 日野の悪夢によって更地になった場所で仁科指令が「少しでも世界は変わったろうか」と呟いた答えが、手塚慧にぶつけた言葉なんじゃないかと思います。「この世界は、まだ守るに値する」それが指令の決意であり答えであって欲しい。手塚慧もまた、多くの支持を受けながら唯一の良心である手塚光からは反発を買い、最後のシーンでは手塚から「兄貴より強くなれる。人を信じられるから」と言われ、とうとう笑みを浮かべながら”負けた”表情を浮かべたのにはぐっときました。敗北を認めることが、手塚慧によって気が楽になる瞬間だったのではないかとエンドロールを横目に感じました。兄として映画の中で誰よりも高圧的な態度を取り、それでも最後には言いくるめられたのが弟であることに納得をしていると思うとたまらんにもほどがあります。そして、図書隊VS良化隊の戦闘が激化する中で、車で移動する手塚慧が見る光景は誰もが無関心、街中に掲載される広告や映像は、都合の良い平和の象徴とも言えるほど不自然に幸せや明るさを全面に押し出している様子で、それを見ている手塚慧は誰よりもその世界に絶望し、また希望を抱きたくてしょうがない人物だったのではないかと考えさせられます。例え犠牲を払ったとしてもより良い未来を作るために、現実的に堅実に考えているのは手塚慧でした。一方で、情熱を持って突き動かされるように正義を貫いたのは笠原であり、堂上であり、小牧であり手塚光であり、仁科指令でした。いや、タスクフォース全員がその思いであの場にいたと感じることができました。圧倒的に不利な戦いであっても怯まない。理屈は分かっていながらも、守るべきものを明確にした人と人との思いが打算的な考えは別として動いていく様子が本当にもかっこよく、心が揺さぶられました。

【戦闘シーンとそれぞれの思い】

 パート1は図書隊と良化隊は戦力的に対等で、賛同者(結果的には良化隊ではありますが)のやり方で身を引かざるを得ない状況でした。一転、LMに関しては数を持ってして良化隊が圧倒的な力を見せていました。法規要覧奪還のために良化隊が動き出し、裏門に素早く回った堂上がその勢力を見て一目で「GO!GO!GO!」と引き下がる指示を出したときから良化隊の戦力は計り知れないものであると感じられました。次いで、図書館の広場にある階段をぎっちりと埋める黒い良化隊。描かれ方は間違いなく悪役でしたが、週刊ジャーナルの記者がとらえたのは、良化隊もまた生身の人間が傷つき、己の信念のために戦う姿でした。

 戦い方はひとつじゃない。笠原が検閲を受ける前に水戸基地の女性隊員から「書庫の中を見たのか」と聞かれます。疑問を抱いているうちに戦闘が開始。検閲対象図書の中に法規要覧はない。実際には水戸館長が良化隊にすでに譲渡をしており、この時、良化隊尾井隊長が水戸館長にちらっと視線を送るという伏線が張ってありました。(3回目観たときに気づいた)検閲が開始されると源田隊長は良化隊の攻撃の規模の小ささの疑問を抱き水戸館長に投げかけます。どこか言いよどみはっきりしない水戸館長。戦闘の場では弾薬の補充に回った笠原が水戸基地の防衛部が一人もいないことに気づきます。源田隊長にそのことを報告後、問題の書庫を見るとほとんどの検閲対象図書はなく、水戸基地が検閲に屈していることが描かれます。ここもまた、図書隊の描かれ方が作り上げられたイメージを壊していて非常に印象的です。まっすぐで強いことが当たり前と考えられていた図書隊の内部からも綻びが生じていく。LM冒頭でも未来企画の意図に賛同した野村が焚書を行い、笠原を貶めたことが最初の一手であったと思うとここまでの繋がりがうまいなあと思います。パート1で警察から「図書隊も一枚岩じゃないらしいな」と言われた伏線がまさかのここで回収………!?と思ってみたり。

 応戦しない水戸基地隊員と、傷ついていくタスクフォースに笠原が水戸基地隊員に詰め寄ります。涙ながらに仲間を思う笠原に、堂上が諭します。笠原が目の前にしたのは何本ものカミツレの花。水戸へ移動中、笠原自身が堂上に投げかけた「カミツレは誰かが手をかけないと育たない」という言葉を堂上が繰り返します。そして動き出したのは、笠原に「書庫の中を見たのか」と話しかけた水戸基地の隊員でした。続いてその場にいた隊員が次々とタスクフォースの手当に当たります。彼女や、水戸基地隊員たちはきっと、検閲に屈する水戸図書館の中で自身にできることはないのかと模索し、戦いから逃げながらも戦っていたんだと思います。検閲が激化する現実に絶望しながらも、希望を抱いていた。その人間模様。このカミツレには3度泣かされましたが、最初はもちろん堂上が笠原に対して見せる場面、続いてこの後に侵略が進み良化隊が無遠慮に踏みつぶしていく場面、そして最後、踏みつぶされた花を水戸基地隊員が丁寧に拾い上げる場面です。

 地の利を活かして全ての電源を落とし真っ暗になった図書館の中で、それでも、図書隊は防衛ラインをどんどんと法規要覧及び図書のある3Fまであがっていくわけですが、そこでやむを得ず本隊から離脱した堂上・笠原が反撃ののろしを上げます。このあたりの戦闘で印象的だったのが、傷ついた隊員を最優先に救助、フォローに回る姿でした。良化隊が進入後、図書館の受付らしきところに一人の図書隊が銃弾を受け倒れ込んだところに、堂上・笠原が救助に向かうところがきちんと描かれており、一冊の検閲も、一人の犠牲者も出したくないという意志を感じる作りでした。戦闘の合間に非常に巧みに笠原の成長、笠原と堂上の信頼関係が垣間見ることができたのもたまらないポイントのひとつでした。堂上が急遽笠原を押しやりやむを得ず班と階違いになった際の最初の乱闘では、パート1のように相手に技を決めたら試合終了と考えている笠原ではなく、ちゃんと相手を戦闘不能までに追いやる姿があり、照明弾を眺めながら実家に思いを馳せた後、2人で頭を下げるタイミング、呼吸を合わせるタイミングまでばっちりで名実ともにタスクフォースのペアとして成り立っている過程がきちんと描かれていて素敵でした。

 図書隊もやられっぱなしではなく、少数精鋭ならではのチームワークが描かれています。特に、倒した良化隊の無線を奪って攪乱できたのは、数が多い分、指令系統がはっきりしていない良化隊の姿として見ることができました。しかし、結局は多勢に無勢。手塚のスナイパーとしての腕前、堂上、小牧の息のあった作戦も虚しく図書のある3Fに無遠慮に進入した良化隊により、何万冊もの本が無惨にも散っていき、図書隊も完膚なきまでに叩き潰されます。ここで使用された本はいったい何冊だったのでしょう。容赦なく人と本が散っていく姿は映画のスケール感ならではだったと思います。あまりに一方的にやられる様子に涙がこみ上げました。必死にここまで守り抜いた本が呆気なく紙切れとなっていく。激昂した源田隊長がバリケードを自ら越えて銃を構えますが、あっさりと良化隊の弾丸を受けます。………そう、ここ!ここを物申したいスポンジは!いや、怒りと悲しみに身を任せてしまい衝動的に動いてしまったのは分かる。しかしこれでは、源田隊長、感情的に動いて司令塔である役割を見失って暴走したようにしか見えませんでした。できれば、何かしらこう、源田隊長の役割を明確にして出番となる場面(映画の尺の問題上難しいかもしれませんが)を用意すべきだったのではないかなあと悔やまれます。これじゃあ源田隊長ただ足をひっぱただけに見えなくもなかったよ………。

【それぞれの正義とクライマックス】

 正義はひとつでは語れない。仁科指令の言う通り、歪んだ世界だということはきっとタスクフォースも笠原も堂上も分かっている。それでもやるべきことをやる、やりたいという意志がビシビシと伝わりました。

 手塚が「兄貴を殺したい」と呟いた後に小牧が「誰かに誇れる自分でいたい」と諭したように、源田隊長が法規要覧を守ると決意し笠原と堂上がその思いを継いだように。誰もが何かを思って動いたのだと思えました。

 クライマックスでは必死になって守り抜きたかった本が散っていき、源田隊長が負傷、隊の8割が戦闘不能という状況の中で、「待ってる人がいる」と図らずも図書隊全体を鼓舞する堂上の言葉が、ボロボロになった図書隊の新たな希望の光のようでした。この時のカット割りで西田尚美さん演じる折口のアップになり、これじゃあ堂上の思い人が折口さんみたいに見えると初回では思いましたが、回を重ねると折口さんの視線の先に法規要覧が展示されるブースがあり、そのブースに訪れる顔も知らない誰かの思想のために動いていると思うと改めて泣ける仕様になっておりました。

 そしてスポンジがどのシーンよりも、何よりも感動したのが、笠原が堂上から託された思いと本とともに届けるために走り出したその先、──良化隊が法律やルールをかなぐり捨てて銃を構える。あと一歩で発砲される、その瞬間にカメラのフラッシュがたかれる。目がくらむ良化隊。武力を止めたのは笠原でも同じ武力でも、上からの指示でもなく──人々の関心だったことです。走り抜いた笠原を救ったのは、手塚慧が無関心だと切り捨ていた絶望で、仁科指令が守りたいと決意した現実だったのではないかと思いました。このシーンは何度見ても涙が溢れてしょうがなかったです。純粋に本を、言葉を届けたいと思った堂上の意志を継いだ笠原が本を届け、わき目もふらずボロボロになった表情はとても演技とは思えないほどでした。岡田くんが雑誌で、笠原の走りきった先の表情は映画だからこそと語っていましたが、まさにその通りだなと思います。

 無事に届け終わった本は、多く待っている人の目に触れることになります。パート1でも折口さんが「人の関心は一過性のもの。だから、わたしたちは書き続けるのよ」と言っていたように、今、関心を引いても世界は簡単に変わらない。手塚慧が絶望したように。それでも、続けなければ、僅かな関心も得ることができない。関心が関心を呼び、いつか大きく世界が動き出すまで、図書隊は守り続けるしかないのだと思いました。

 法規要覧をめぐる戦いが終わりを向かえ、カットが変わると大きな傷を負いながらも笑い合う図書隊の姿が映し出されます。日常が戻ってきたのだとほっとさせられると同時に、自らの首を引き替えに停戦を要求した仁科指令が図書隊を去ります。源田隊長にのみ見届けられるというあまりにも静かで寂しい去り方でした。これが仁科指令の考えるけじめだったとしても、あまりに寂しすぎます。始めてしまった戦いだったかもしれない。それでも図書隊がいなければ守れなかったものが数え切れないほどある。制作上の都合なんてものがチラつきもしましたが、どうか続編があったときによからぬことが起きないことを祈ります。

【個人的な疑問を個人的に解決】

 黒木知事について。情報部の柴崎が仁科指令に報告したとおり、黒木知事に法規要覧の展示を勧めたのは手塚慧でした。では、黒木知事は未来企画側なのか?と思いきや、そうではない。ここが最初納得できずにいたのですが、単純に手塚慧の口車に乗せられて「そうだ!それでいこう!」と乗り気になった黒木知事、という見解で納得させてみました。源田隊長、副隊長、堂上で美術館の下見に行った際、図書隊がどんな思いで本を守っているか知ってもらいたい(のような)ことを言う黒木知事を堂上が見て「この人は信頼できる」的な表情を浮かべていていたので、ここで図書隊の味方であることをアピールしていたのかなと思います。

 法規要覧譲渡について。水戸図書館館長兼司令という大きな名前がつきながら未来企画の意図に賛同し、戦いのきっかけを与えてしまったわけですが、これ、とても謎だったのが、譲渡してしまった以上法規要覧って本当にもう図書館のものではなくなったのではないんでしょうか?後ほど図書隊は奪還のために戦闘を続け、仁科指令の退官と引き替えに停戦するので、停戦すれば奪還しない、そもそも本が欲しかったわけではないから良化隊もそれ以上はしなくなった、という見解でしょうか。譲渡した以上、戦闘敷地外である美術館にあったとしても良化隊は法規要覧を保持する権利を持っているし、でもまあ、なんだろう、本を奪いたいというよりかはタスクフォース壊滅がそもそも道筋だからそこから外れたしいいかなー、ということなのでしょうか。この当たりのフォローがなく、4回注意深く確認しましたがちょっと納得できずに終わってしまいました。難しい。

【小牧とたっつん】

 公開直前のドラマから小牧というキャラクターの破壊力がすさまじすぎて、3回目は出番が少ないながら小牧をメインにみよう!と意気込むレベルでした。もちろん、ドラマが小牧にとっての本編のようなものですが、笠原が査問にかけられた際、冷静な口調で「最悪除隊もあり得る」と分析する姿、手塚慧が笠原をレストランに呼び、未来企画が提唱する検閲をなくす世界を手塚から聞く際に腕まくりをしている姿、手塚のスナイパーとしての腕前を「やるぅ」と言う小牧(しかもこれ演じる田中圭さんのアドリブというのはあまりに有名でテンションのあがるエピソード)戦闘の場面においても堂上班副隊長として堂上のフォローはもちろんのこと、堂上が一時的に班から離脱していた際には指揮を取る描写(「ここでくい止めるぞ!」と怒鳴るシーンもまた最高です)、戦いの全てのきっかけを作った兄である手塚慧に対して「殺したい」と思わず呟いてしまった手塚に対して理解を示しながらも、答えを提示するのではなく、手塚自身に考えさせるという見事な上官っぷり。……と小牧だけをとってしてもここまで盛り上がる場面がありました。最後の毬絵ちゃんと図書館内で待ち合わせしちゃってるところとかねえ!幸せか!!!!

 たっつん、というのはご存じ鈴木達央さんのことでございます。出演するとは聞いていましたが、あまりにもナチュラルかつやはり声優ということで声の演技がやたらと浮きに浮きまくってうまくて吹き出しました。エンドロールでも特別枠等ではなく、さも普通の俳優のような自然さで流れてきたので思わず見逃すところでした。佐藤監督のことでしょうから、映像化したらメイキングや未公開シーンなどでちょこちょこ出てくるんでしょう!お願い!まえぬも出してー!!!!!(心の叫び)

【堂上と笠原のシーン】

 まずは野村(というか手塚慧)の策略によって査問にかけられる笠原。嫌み代表みたいな役者さんが並んでてそれだけですごかった。ナイスキャスティング。延々繰り返される似たり寄ったりな意味もない質問にだんだんと疲弊していく笠原。そんな中、図書隊に入った理由について聞かれます。流れの中で、LMでも出会いのシーンが組み込まれます。監督本当にこのシーン好きだな!ってパート1では回想含めて2回、ドラマ編でも1回、LMでも惜しげもなく流しちゃうなんて!とか思ったんですけどこの伏線がまさかのキスシーンが思い出の本屋さんにつながるなんてーーーーーー!!!!!!Fu~~~~~!!!!!!!!!しかもパート1の堂上教官がっちりしてるけど細いわぁ……とか思います。LMでは速さよりも重みを重視したと岡田くん自身も言っておりましたが、走り抜けるシーンとか一人だけ足の回転数が違ってましたよ、ええ。肉弾戦も編集によるスピード調整一切なしとのことで、アクションのすさまじさも人間ドラマに引けをとらない見所でした。話を戻しますが、この時堂上が良化隊に対して見計らい権限を行使するわけですが、あくまで見計らい権限は図書の買い取り制度であって良化隊の検閲を妨害することはできないという観点から法的に極めてグレーと判断されます。その面から見て、堂上は誤った知識を持った上官であり、その教えを誤った方向に理解した、つまり堂上からの指導が焚書行為に繋がったととんでも理論を繰り出され、笠原も痺れを切らします。自らが問題視されることは構わないが、堂上を貶めることだけは許さないと啖呵を切ると、そのことが焚書行為をしたことを認める証言として取られてしまいます。その日の査問は終了しますが、査問会の続行は決定してしまいます。査問場所から戻ると、まだ仕事をしている(様子)の堂上が。あんなことを言った後に一人で残っているなんて……!!!とこっちも感動していると何を言ったか言えと言われます。あなたのことだよ!!!!!なんて言えるはずもなく、「言いたくありません」とはねつけると「アホか貴様!命令だ言え」とめっちゃきれられます。「ずるい、そんなの」と思わず敬語が崩れる笠原激カワ。耐えきれなくなった笠原が両手で顔を隠して泣いてしまいます。か、か、かわいい~~~~~~!!!!泣かれるとは思わず狼狽える堂上もかわいいし(この時の歯にものが詰まったような「かさはら、!」が極上)、たまたま戻ってきてしまった源田隊長と小牧が目撃して気まずそうにする堂上の!!!!わたわた感!!!!!!!!ひえええええええ!!!!!!!!!萌えすぎて泣きました。

 続いて、笠原が手塚慧に呼び出され立川のフレンチに堂上が登場するシーン。私服の堂上。がっちりしてます。笠原をつれて出ていくわけですが、ちょっとまってそこはお金払わないのー!?というのが初回の感想。3回目にもなると、ああもうお財布も持たずに笠原を探しに行ったわけだね!萌え!となります。その後、泣かしたし小牧が行けとか(嘘)を言いまくって動揺したかと思いきやヒールを履いた笠原を見上げて「……でがいな」と呟いたシーンは会場の笑いを見事にかっさらってました。そしてね!ここでね!ふ、って笑うの!!!堂上教官が!!!!「帰るぞ」ってもおおおおおおおおおおお!!!!!たまらんんんんん!!!!!!!下手したらキスシーンより萌える!いや悩む!どうかな!!!!!?????

 笠原の疑いが晴れ、タスクフォースとして移動中の車のシーンでは堂上教官の本をめくる指さばきたるや。パート1で本を大事に扱うを体現した岡田准一(手つがく)健在すぎ。ページをめくった後ぴって弾くんですが、その弾き方が紙を傷めすぎずまっすぐさを表現しつつ、本に没頭してるよっていう手慣れ感!!!!!!!!好き!!!!!!!!!!!そんな堂上に書誌学のレクチャーを受けたお礼にと買ったカミツレのオイルを渡す笠原もかわいい。しかも半年も眠らせてたとか超かわいい。あと柴崎と部屋で話しているときに「………でぇきないッ」って思い出の本に頬当てちゃう感じも「……でかい言うな」って言う感じも全部かわいい!!!!!!!パート1の時より飛躍的に笠原がかわいいんですけどね!!!!!!一回「いらん」とはねつける堂上ですが、なんやかんやでもらっちゃいます。お茶のお誘いは残念ながらできませんでしたが、帽子を深く笠原ハイかわいい。

 岡田くんが雑誌で戦闘シーンの中にドラマを持ちたいと言っていましたが、萌えも超詰まっていました。手塚慧に良化隊にだって家族や仲間がいると言われ、銃を撃つのをためらう笠原に対して「今は考えるなっ!

」と言う堂上。戦闘の合間、深夜になり照明弾がたかれると二人きりになった堂上と笠原が花火やお好み焼きの話をする場面。戦闘中という緊迫感の中で転がり落ちる萌え。一瞬の油断もできない仕上がりでした。

 そして二人で水戸市内を法規要覧を美術館に届けるために走り、笠原に本を託す堂上。予告でも使われてましたがこの時の「行け……!」と言う岡田くんの一言にお金出せるレベル。その後良化隊の無許可の発砲で銃弾を受けてしまった笠原が、それでも本を守り抜こうとしていると堂上が駆けつけ、再び笠原に向いた銃口を自らが浴びます。首筋に1発、その前の乱闘中に太股に1発、そして残り3発を身体で受け止めたらそりゃ良化隊もびびって動けませんわ。最終的に殴って倒すし。そんな堂上もさすがに銃弾5発を食らって(しかも2発は生身で直撃)倒れ込みます。そして例の本屋です。この時、笠原はドアを壊すためにヘルメットを脱ぎ、堂上も運ばれている最中に自然にヘルメットを脱ぐところがうまいなあと思いました。

 震える手で笠原は必死に手当をしますが、出血は止まらず堂上の目もうつろになっていきます。この時、堂上が笠原に美術館に行くように言うんですが、「やです……!」って言って堂上の肩口に顔を埋めるんですよ……!!!はあああ、もう書いてるだけで泣きそう。そして「大丈夫、大丈夫だ。お前は強いよ」ってもおおおおお!!!!!どーーーーじょーーーーーーー!!!!!!!!!この言葉を受け、笠原は走り出します。堂上にキスをして。逆光でほとんど、っていうかもキスするところ顔真っ暗だったんだけどね!!!!監督!!!!!!映像化したら特典でもなんでもいいから見せてね!!!!!!!3万は出すよ!!!!!!!!!

 戦闘が終了し、日常が戻ってきてから再会する二人もかわいかったあああああああああ。左手だけ包帯してる堂上が笠原を見つけてカミツレのお茶が飲めるカフェのデートのお誘いをするんですが、なにこの不器用二人組。一生やってろ!!!!!!!くっそ!!!!!!!「……連れてけ」「……柴崎を?」「俺を、だ……ッ」「……それはつまり、デートという」「いちいち確認するな、ど阿呆!……で、どうなんだ」的な流れを劇場で!!!ってもう公開終わっちゃうだろうから映像で!!!!そもそも見てない人このネタバレ見ないで本編見てからにしてーーーーーーー!!!!!!!!というぐらいにはちゃめちゃ萌えます。二人で仲良く図書館内歩くの超かわいいから。包帯が取れたら行こうっていう堂上に対して「もう取っちゃいましょうよぅ」っていう笠原激カワだから。そのままエンドロールに突入して観客の想像力を掻き立てるんですね!!??とか思ったら最後の最後にカミツレのお茶だけインサートみたいに入ってくるから!!!!!油断も隙もない!!!!!お茶するところ映像化してくれたら5万出すよ!!!!!!!!!!!!!!「一度来てみたかったんです~~!!わ~カップもかわいい!あ、おいしい!!!」「……うまいな」「ですよね!やっと飲めました~嬉しい~」「……そうか」みたいなの!!じゃなくてもいいよもう!!!!!!かわいい!!!!!!

 言いたいことは以上です。いや、これ以上に言うことがあるとすれば、岡田くんが訓練中に「肩をこう……」って指導してる姿が素に見えたことぐらいです!!!!!!ありがとう図書館戦争!!!ラストってタイトルにつけちゃってるけど続編あったらまた見に行くね!!!!!!!!!